yocyocのブログ

偶然発見 胆嚢癌と保険、住宅ローン、3大疾病特約

TNM分類とICD分類の比較

 TNM分類とICD分類を整理しました。
1)発表機関 
 TNM分類: UICC(国際対連合) 
 ICD分類:  WHO(世界保健機構)
2)定義 
 TNM分類: 臓器毎に病期(ステージ)を分類  
 ICD分類:  腫瘍の位置、形態、性状を分類
3)悪性新生物
 TNM分類: 定義されていない(たぶん)  
  ICD分類:  Cから始まる、また5桁目の数字が3
4)上皮内新生物
 TNM分類: ステージ0  
  ICD分類:  Dから始まる、また5桁目の数字が2

 以上の比較から、この二つの分類方法は発表機関も定義も違うから、まるで異なるように見えました。ところが、改めて情報を調べると、ICD分類とTNM分類が定義する上皮内新生物は、癌保険の定義において、同一のものであるかのごとく扱われている例がほとんどだったため、困惑しました。

改めて色々な癌保険を調べる

 保険会社が悪性新生物や上皮内新生物を定義するための分類方法にそれなりに詳しくなり、新生物の分類方法の視点で、各社の癌保険や医療保険の約款を見ました。 
 その結果、もちろん素人の私が調べた範囲内で、以下のことが分かりました。
1)悪性及び上皮内新生物をともに世界保健機構WHOのICD分類で定義する
2)1)に、枠外の注意書きで、国際対がん連合UICCのTNM分類で0期(上皮内癌)に分類される病変は、悪性新生物に含まれないと定義する
3)ステージごとに給付し、そのステージはUICCのTNM 分類で定義する


 1)が多く感じましたが、2)もそこそこありました。3)は非常に少なかった気がします。
 これより、大多数の保険では、ICD分類が新生物の定義に使用されていることやTNM分類では悪性新生物を定義していないことが分かりました。また、2)の注意書きから、同じ上皮内新生物(上皮内癌)でも、ICD分類とTNM分類では異なるものを指していることが推察されました。
 なお、私の加入していた住宅ローンの3大疾病特約における悪性新生物の定義は、1)の方法で定義していました。

TNM分類を調べる

 最初に、3大疾病特約の診断書に記載されていたTNM分類とは何者なのかを調べることにしました。
 その結果、TNM分類はICD分類とともに、新生物を分類する数ある方法の一つであることが分かりました。なお、前者は国際対がん連合ICUU、後者は世界保健機構WHOが策定に関わっています。異なる組織の作った異なる分類方法ですから、この二つの分類で定義される新生物は全く異なるものを示していると直感的に思いました。
 そこでさらにTNM分類を調べました。その結果、TNM分類は臓器毎に設定されていること、病期すなわちステージを定義していることが分かりました。これより、TNM分類では、新生物の進行具合をステージで0~Ⅳまで分類し、ステージ0を上皮内癌と定義していました。ただ、ステージⅠ以降を悪性とは定義していないようでした。
 ところで、ICD分類では、コードがDから始まり、また5桁目の数字が2から始まる場合を上皮内新生物(癌)と定義しています。ここで、TNM分類とICD分類が示す上皮内新生物は、同じものなのでしょうか?